「任意整理には過去の正確な借金額や取引日付が必要と聞いたが、メモしてない」
「業者に聞いたら、任意整理を考えてると思われて、履歴なんて教えてくれないんじゃないか?」
ご安心下さい!相手業者には取引履歴の開示請求に応じる義務があるんです!
目次
借金の正確な残額をご存じですか?
ご自分の借金の正確な残額をご存じですか? 長年にわたり貸金業者と取引をしていた方の場合、過払金が発生している可能性があります。そのため、利息制限法に基づく利息に引き直して計算しなければ、正確な額を算出することはできません。
計算のためには、以下の3つの情報が必要です。
・借り入れした日付
・借り入れした金額
・これまでの返済履歴(日付と金額)
この3つについて完璧にノートにメモをとり、返済の際の領収書も全てとってある、という方は多くはないでしょう。しかし大丈夫です。これまでの取引履歴を貸金業者に対して開示するように請求することができるからです。
昔は開示請求は困難だった
かつて、貸金業者はなかなか取引履歴を開示しませんでした。正確な借金額を計算されることにより、過払い金の返還を請求されることを恐れたのです。個人で開示請求をしても全く相手にされず、弁護士や司法書士をたてて交渉することで、はじめて渋々と開示請求に応じたのです。
最高裁が開示義務を認める
しかし、平成17年7月19日の過払い金等請求事件で、最高裁は貸金業者に対し、「債務者から取引履歴の開示を求められた場合は、特段の事情がない限り、信義則上、取引履歴を開示すべき義務を負う」との判決を下しました。この判決により、貸金業者は開示を拒否することが難しくなり、弁護士や司法書士を通さなくても、本人が簡単に取引履歴の開示請求ができるようになりました。
取引履歴の開示を請求してみよう
開示の方法は業者によって様々
現在、取引履歴の開示は、業者に問い合わせれば対応してくれます。電話や郵送などの方法がありますが、詳細は業者によっても対応が異なりますので、取引履歴を開示して欲しい貸金業者を検索して、ホームページで確認した方がいいでしょう。
ただし、中にはすぐに取引履歴を開示しようとしない貸金業者もいます。このような場合でも弱気になる必要はありません。取引履歴の開示に応じない業者に対しては、金融庁が行政処分を行うことになっていますので、毅然とした態度で開示を要求しましょう。
もちろん、貸金業者に問い合わせること自体が大きなストレスになってしまう場合は、無理せず弁護士に任せましょう。
取引履歴開示にかかる期間
取引履歴の開示を要求してから、実際に取引履歴が送られてくるまでに、だいたい一週間から数か月程度かかります。業者によってかなり対応速度に差があるようです。
一般的には、消費者金融は取引履歴がシンプルなため開示が早く、クレジットカードの会社や信販会社は取引履歴が複雑なので時間がかかることが多いようです。
業者が和解を申し出てきたら?
個人で取引履歴の開示を請求した場合、業者から、「少し債務は残っていますが、この場で和解してくれるならもう払わなくていいですよ(0円和解)」といった申し出や、「少し過払い金が発生しているみたいですね。この場で和解して頂けるなら5万円を即日振り込みますよ」といった内容の誘いかけがされる事があります。それまで取り立てに苦しんでいると、喜んでつい、交渉に応じてしまいがちです。
しかし、このような業者の交渉にのってはいけません。このような申し出をされたということは、過去の取引でそれなりの額の過払い金が発生しており、借主に貸金業者がまとまった金額を支払わなければならない場合が多いのです。業者としては、借主が弁護士等に相談して交渉し、全額返還をせざるを得なくなるより、今、うまいことをいって和解にこぎ着けてしまいたいと思い、持ちかけてくるのです。
このような業者の提案の多くは、実際の過払い額よりもかなり少なく見積もられた和解案です。過払い金は全額返してもらうべきお金なのですから、少しの金額で妥協したりせずに、いったん取引履歴をきちんと開示してもらって、最高の条件を引き出した上で和解をすることをおすすめします。
業者が10年以上前の取引履歴は保管していないと言ってきたら
貸金業者との取引が長期にわたる場合、「10年以上前の取引履歴は保管していない」と言ってくることがあります。税法上、商業帳簿の保存期間は10年間で、貸金業法でも10年間の保存義務が規定されていますが、10年以上前の取引について保存義務がないのは確かです。しかしこの場合も、「推定計算」により、債務整理を行うことができますので、弁護士にご相談下さい。
取引履歴を開示してもらった後は?
取引履歴が送付されてきたら、自分で引き直し計算を行い、貸金業者と和解をすることも可能です。しかし、複数の業者と取引をしていたり、取引が長年にわたると、時効の問題なども発生して、素人には計算が難しくなります。また、法律知識や交渉経験のない一般人がプロの貸金業者と掛け合って、最高の結果を得るというのはなかなか難しいものです。
取引履歴の開示により、自分の債務額が把握できたら、そこから先は法律家に相談しましょう。その際は、債務整理の案件を多く受任している、任意整理が得意な法律事務所に依頼するのがポイントです。
東京ロータス法律事務所は、多数の任意整理案件を手がける、任意整理を得意とする法律事務所です。借金の問題でお困りの方、是非、一度東京ロータス法律事務所にご相談下さい。
所属弁護士会 東京弁護士会 No.44304
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