任意整理後に事故や災害にあってしまうなど、緊急にお金が必要になったらどうしたらいいの?
信用情報に事故情報が載っていても、融資を受けられるケースがあります!
それが、福祉協議会の緊急小口資金制度です。緊急事態の時にやむを得ない場合の融資について解説します!
目次
任意整理中に急な出費が必要になったら?
任意整理後完済してから五年間は、信用情報機関に事故情報として登録されてしまうため、原則として金融業者からの新たな借り入れはできなくなります。しかし、急な病気や事故、災害などで、一時的に緊急にお金が必要になった場合、どうすればいいのでしょうか? これから債務整理をしようとお考えの方も、いざという事態が起こったときのことを考えると、信用情報機関に事故情報が載ってしまうのは不安なのではないでしょうか。
大丈夫、その場合でも、必ず融資を受けられるということではないのですが、緊急事態の場合は救済手段が用意されています。民間企業の代わりに、民間の非営利団体がお金を貸付してくれる制度があります。それが、社会福祉協議会の緊急小口資金の制度です。
社会福祉協議会とは
社会福祉協議会とは、行政主導で作られた、民間の社会福祉活動の推進を目的とする非営利の民間組織です。ボランティアや市民活動の推進、福祉人材の確保など、福祉に関する幅広い活動を行っています。社会福祉協議会は各都道府県や市区町村に存在しています。
緊急小口資金とは
社会福祉協議会は、活動の一環として「緊急小口資金融資」という制度を設けています。この制度は税金を原資とする公的な貸付制度で、緊急かつ一時的に生活費に困窮している場合に利用することができます。公的な支援ですから、相談や貸し付け、償還完了に至るまで、民生委員による相談などのサポートを受けることができます。非営利の福祉目的の貸付金のため無利子での融資となります(延滞した場合は延滞利息が付きます)。
緊急小口資金を受ける条件とは
緊急小口資金は、もちろん無条件で借りられるわけではありません。任意整理中でも申請は可能ですが、借入を受けるためにはいくつかの条件を満たしている必要があります。
・世帯全体の収入・就労状況を確認
個人ではなく、世帯全体の構成人数と可処分所得から判断して、一定の基準の年収の世帯のみ申請することができます。収入基準は毎年改正されますので、詳しくは、お住まいの地方自治体の社会福祉協議会のホームページを参考にしてください。
・自立支援になる場合のみ貸付が認められる
一時的な困窮に陥っており、緊急融資により自立の支援となると判断された場合のみ審査が通ります。常に困窮している場合は生活保護など別の制度の対象になります。
・用途が制限される
認められる用途はかなり限定されており、一時的な困窮に対応する用途に限られます。債務の返済に充てる目的での融資は認められません。
急なトラブルに関する用途…医療費・介護費などの臨時生活費が必要なとき、火災や災害などに被災したとき、事故で損害があった場合の支出増加、給与の盗難や紛失による生活費など
一時的な支出増加…年金・保険・公的給付金の受給までの一時繋ぎ、会社から解雇された場合の一時的な支出増加など
・返済可能であること
多重債務で、自立や償還の見込みがないと認められる世帯には融資が認められない場合があります。
どんな条件で融資してもらえるの?
本則の場合(特例措置の内容については社会福祉協議会にお問い合わせください)
【上限金額】10万円まで
【連帯保証人】不要
【利息】無利子
【据置期間・返済期間】元金の据置期間は、貸付の日から2ヶ月以内・返済期間は、据置期間経過後の8か月以内
10万円までという上限額は少ないようですが、あくまで一時的な困窮を立て直すためということで少額の融資となっています。返済期間は12か月なので、毎月1~2万円程度の返済額となります。
詳しくは、お住まいの社会福祉協議会にお問い合わせください。
すぐに融資してもらえるの?
「緊急小口融資」という名前ではあるものの、審査があるため、申し込みから数週間はかかる場合があります。非営利の団体のため、民間のキャッシングのようなスピード感は期待できないことを覚えておきましょう。
任意整理をして借金から解放されよう
任意整理をして信用情報機関に事故情報が登録されても、上記のようにやむを得ない緊急の場合は資金を融資してくれる団体があります。また、信用情報機関に事故情報が載ってしまっても、任意整理をして完済してから5年間たてば記録は消えます。記録が消えればまた融資を受けられるようになりますので、過度に任意整理の依頼を怖がらず、借金で苦しいのであれば無理せずに弁護士に相談しましょう。
借金苦に陥らないために―公的な融資が受けられないか探してみよう
事情があり融資を受けることが必要になった場合は,長い目で見て借入先を選択する必要があります。たとえば、子供の学費をねん出するのが苦しいのであれば、奨学金の制度が利用できないか、事業を起こすための開業資金や創業資金ならば、公的融資は受けられないかなどを検討しましょう。
公的な融資を受けられれば、民間の貸金業者の融資と比較すると無利息や低金利、返済期間が長期で受けられる可能性があります。今後、借金をする必要が生じた場合は、公的融資が受けられるかどうかも検討しましょう。
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