「消費者金融の借金は整理したいけど、友人や勤務先からの借金は払い続けたい」「住宅ローンを残したい」というご希望も、任意整理なら可能です!
クレジットカードは残せるの?
整理したい業者だけ弁護士に打ち明ければいい?
そんな疑問にお答えします。
目次
私的な手続きである任意整理だからできること
Aさんは、「消費者金融B」「銀行C」「親しい友人D」「勤務先E」からそれぞれ借金をしていました。
借金の返済が苦しくなり、できれば消費者金融Bからの借金の利息だけでも減らしたいと考えるようになりました。
しかし、銀行Cからの借金は住宅ローンで、住宅を手放したくないからそのまま払い続けたいし、親しい友達Dとの信頼関係は損ないたくありません。また、勤務先Eにも迷惑はかけたくありません。
Aさんは、どうしたら納得のいく債務整理ができるでしょうか?
Aさんのケースには任意整理が向いています。
任意整理は、借金を整理する債務整理の方法うち、裁判所を介さないで私的な交渉により問題を解決する方法です。債務整理の中で唯一、特定の債権者だけを選んで借金を整理できる方法です。
債権者平等の原則とは
債務整理をする際(支払不能な状態になった後)にすべての債権者を平等に扱わなければならないといことです。一部の債権者のみ返済すると債権者平等の原則に反することになり,後に自己破産や個人再生を行うことになった場合,債務者が不利益を受ける可能性があります。しかし,例外的に認められるケースとして,任意整理があります。
債務者が自分の勤務先の会社や親しい友人などからも借金をしている場合、下手をすると解雇されてしまったり、人間関係に深刻なヒビが入ってしまうこともあります。
任意整理の場合
任意整理は、基本的に貸金業者との二者間の合意ですので、特定の債権者だけを選んで交渉することも可能です。つまり、整理の対象を選び、会社や友人・住宅ローンなどの借金は残したまま、貸金業者などの借金だけを整理することができるのです。
しかし,原則的には債権者平等の原則に従って,すべての債権者を対象にした方がいいでしょう。
・勤務先から借金をしている場合
勤務先から借りたお金を整理すると、会社に金銭的な損害を与えたとして解雇されてしまう可能性があります。借金の返済を続けるためにも、勤務先との信頼関係は大切にしておきたいものです。
・住宅や車を残したい場合
任意整理であれば、住宅や車などのローンを払い続けながら、資産を失わずに借金を整理することができます。
ただし、前提として、住宅や車のローンはそのまま払い続けなくてはなりません。「住宅や車は持っていたい、ローンも減額や整理をしたい」というわけにはいかないのです。あくまで、住宅や車のローンを払い続けたまま、他の借金を整理することができる、ということです。
住宅ローンは、裁判所を通した手続きである「個人再生」でも、住宅ローン特則を利用することで住宅を守れる場合がありますが、車のローンを残したまま借金の整理ができるのは任意整理だけです。
・借金に保証人がいる場合
借金に保証人がいる場合、その借金を整理対象にすると、債権者から保証人に「代わりにお金を支払ってくれ」と請求がいくことがあります。本人が支払えなくなった場合、保証人に請求するのは債権者の権利ですので、これを止めることは難しいです。
保証人に迷惑がかかりますので、できれば保証人付きの借金は払い続けたいという方も多いでしょう。
任意整理の場合、保証人付きの借金は整理対象から外すことができます。
クレジットカードを一枚だけ残すことは可能?
任意整理では、特定のクレジットカード会社だけを任意整理の対象から外すことも可能です。しかし、他の債権者などに対して任意整理を行った場合、他の貸金業者は信用情報機関に事故情報として債務者を登録します。こうなると、クレジットカードを残しておいても使えなくなります。
クレジットカード会社によっては、任意整理の対象から外したクレジットカードが、任意整理後もしばらく使えるケースもあります。しかし、これもカードの使用期限までで、期限の切れたカードを更新することはできません。
「なにかあったときに困るから」そう思う気持ちもわかりますが,その場しのぎ的に使えるカードを一枚残したとしても,借金を整理して生活の立て直しを図ろうとしている債務者にとっては根本的解決にはなりません。
整理したい相手のことだけ弁護士に相談すればいい?
任意整理のことを知ったAさんは喜んでこう思いました。
「任意整理って便利だな! さっそく、整理したい消費者金融Bのことだけ弁護士に相談しよう。他の借金は払い続けるつもりだから、弁護士に言うまでもないだろう」
ちょっと待って下さい。仮に借金を整理したいのは一社だけでも、すべての借金を包み隠さず弁護士に打ち明けて下さい。
というのも、弁護士は依頼者の給与や状況、すべての借金の状況を総合的に判断して「これなら債務者が実行できる」という返済計画を立てることができたら、これをもとに業者と交渉します。任意整理したい貸金業者以外にも借金があることを弁護士に黙っていると、現実的な返済計画を立てることが難しくなります。
弁護士には守秘義務がありますので、相談した内容が外部に漏れることはありません。安心して、借金のことはすべて打ち明けて下さい。そのうえで、どのような債務整理をするのが一番良いのか、相談しながら決めていきましょう。
所属弁護士会 東京弁護士会 No.44304
北海道から沖縄まで全国とこでも飛び回り、お悩みを解決します。
モットーは依頼人の悩みを解決するだけでは無く、再スタートまでのトータルケアを事務所一丸になってサポートします。