借金と一口にいっても、消費者金融や銀行といった一般的な借入先から、日本政策金融公庫などの政府系金融機関、勤務先、家族・友人からお金を借りるケースもあります。
中にはいわゆる「ヤミ金」から借りる人も…。
債務整理をする人は、どこからお金を借りていたのでしょうか?
借入先のトップは「登録貸金業者」
社会人になると一度は考える借金。住宅ローンや車のローン、新規事業の立ち上げや子供の教育資金など、目的や担保の有無などによって、さまざまな機関からの借入先が考えられます。また、借金につけて返す利息の利率も契約内容によって様々です。
2014年に裁判所で自己破産や個人再生の債務整理手続きを行った人は、どのような機関からお金を借りていたのでしょうか?
自己破産・個人再生ともに「登録貸金業者」からの借り入れがトップで、破産では45.47%と全体の半分近く、個人再生では58.42%と6割近い人が、登録貸金業者からの借り入れを行っています。
登録貸金業者とは
登録貸金業者とは、内閣総理大臣又は都道府県知事に対し、貸金業を営む旨を申請して登録された業者のことです(貸金業法3条・4条)。貸金業を行おうとする業者は必ずこの登録を行う必要があります。
典型的には消費者金融、クレジットカード会社や信販会社、貸し付けを行う百貨店やスーパーなどが登録貸金業者にあたります。また、不動産担保金融業者等、事業者金融業者もこれに含まれます。
消費者金融やクレジットカードのキャッシングがよく利用される理由としては、以下のような要因があります。
・銀行などの金融機関に比べ、貸し付けの際の審査が甘い場合が多いこと
・借金の目的を問わないこと
・無担保無保証で借りられること
しかし、気軽に借りられる反面、金利は高めに設定されています。
かつて、最高29.2%もの金利設定を可能にしていたグレーゾーン金利は、2010年(平成22年)6月に完全に廃止されました。しかし、現在の上限金利の15%もけっして低い金利ではありません。100万円を借りたら、翌年には115万円になってしまうのですから、支払い切れずに債務整理に踏み切る人が出るのも頷けます。
民間金融機関・政府系金融機関とは
民間金融機関とは、民間資本で運営されている金融機関のことで、銀行や信用金庫、農林業金融機関、また生命保険会社や損害保険会社、ノンバンクや証券会社もこれに含まれます。
政府系金融機関は、公的金融機関とも呼ばれ、政府が一定の政策を実現することを目的として設置した機関のことです。典型的には、日本政策金融公庫、日本政策投資銀行、日本学生支援機構などの独立行政法人があります。起業の際の融資や、教育ローン、奨学金などの貸し付けを受けることができます。
こうした政府系金融機関の場合、民間の金融機関や消費者金融に比べて低金利なのですが、支払いが苦しくなった場合に、私的な減額交渉である任意整理には応じないケースがあり、注意が必要です。
無登録貸金業者とは
前述のように、貸金業者となるためには登録をする必要があります。しかし、無登録のまま商売としてお金を貸し付けている業者もいます。いわゆる「ヤミ金」です。
ヤミ金の典型例としては、多重債務者や、収入を失って困っている債務者に、利息制限法で定められた上限金利を大幅に超える違法な金利で貸し付けを行うケースがほとんどです。
破産者の0.3%、個人再生者の0.17%がヤミ金からお金を借りています。ヤミ金は犯罪ですので、絶対に利用しないようにしましょう。もし、既にお金を借りてしまっていたら、ただちに警察や弁護士に相談して下さい。
登録貸金業者かどうかは、金融庁のホームページで簡単に検索することができますので、少しでも不審な点を感じたら、正規の貸金業者かどうかを確認しましょう。
登録貸金業者情報検索サービス(http://www.fsa.go.jp/ordinary/kensaku/)
所属弁護士会 東京弁護士会 No.44304
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