好景気と言われるものの、実感がわかない今日この頃。
最近、債務整理をした人は、どんな原因で借金を作ったのでしょうか?
また、借金した原因は債務整理にどう影響するのでしょうか?
「バブル以上の好景気」と言われても…
2017年9月現在、2012年12月ごろから始まった「アベノミクス景気」が、バブル経済期を抜いて戦後3番目の長さで続いているともいわれています。また、労働力不足で労働者は売り手市場ともいわれています。
しかし、実際のところ、そんなに景気がいいという実感がわかない人の方が多いのではないでしょうか?
確かに、自己破産や個人再生の手続きを行う人も、統計上は年々減少していますが、それでも2015年には約8万人が裁判所での債務整理手続きを行っています。この人たちはどんな理由で債務整理に踏み切ったのでしょうか?
今どきの債務整理、負債原因のランキングは?
2014年に行われた、債務整理手続きを行った人の負債原因の調査によれば、自己破産・個人再生両方の負債原因の第1位が「生活苦・低所得」でした。自己破産では60.24%と過半数以上、個人再生では35.73%もの人が、生活苦を原因に債務整理を行っています。いくら景気が良くなったと言われていても、低所得に困窮している人がやむにやまれず借金をし、その結果支払いに困って債務整理に踏み切るパターンが多いようです。
破産原因の第2位は保証債務です。他人の債務を保証したことにより、その他人が債務を支払えなくなった際に、支払いきれないほどの債務を本人の代わりに請求されてしまったパターンです。破産原因の約2割(22.42%)、個人再生の1割(10.31%)にも及びます。
破産原因の第3位は事業資金(21.37%)で、ビジネスがうまくいかずに多額の負債を抱え込んでしまったケースも多いことが分かります。
債務整理の種類によって借金原因の割合が違う?
全体の傾向としては、自己破産に踏み切った人の負債原因としては、生活苦の他にも、「病気・医療費(20.73%)」や「失業・転職(19.84%)」といった、避けがたい人生のトラブルにより負債を抱えてしまった割合が高いことが現れています。
これに対し、個人再生の場合は「住宅の購入(26.98%)」や「浪費・遊興費(16.53%)」「ギャンブル(11.02%)」といった積極的な消費行動により、負債を抱えたケースも多いことがわかります。
これは、以下のような事情が関係していると考えられます。
- 自己破産は収入がなくても手続き可能。個人再生の場合は、継続した一定の収入がないと手続きできない。
- 自己破産の場合は、借金の原因によっては免責が認められないケースがある。
正確なデータがないため、ここでは紹介していない「任意整理」も、基本的には収入がある人が、減額された借金を返済していく債務整理です。そのため、積極的な消費行動で負債を抱えた人の割合も多いと予想されます。
■借金の理由は債務整理に影響するの?
債務整理の手続きを行う際、借金の原因により債務整理の結果が左右されるのは自己破産だけです。その自己破産も、ケースによってはギャンブルや浪費などが原因でも免責が認められることもあります。
特に浪費やギャンブルなどが原因の場合、「無駄なことにお金を使った自分が悪い」と自分を責めたり、「周囲に相談しても理解も同情もしてくれない」と一人で抱え込み、事態が深刻化することがあります。むしろ、このような場合にこそ、借金問題に対する経験が豊富な弁護士などの専門家に早めに相談しましょう。
「困った状況を解決したい」という強い思いがあれば、解決策は必ず見つかります。
所属弁護士会 東京弁護士会 No.44304
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