
借金が苦しくなり、債務整理をする人の統計は、裁判所司法統計の調査で一部が明らかになっています。
全国でどのくらいの人が債務整理をしているのでしょうか?
また、借金問題を専門機関に相談している人はどのくらいいるのでしょうか?
借金に困っている人は減っているって本当?
借金は、社会人ならば多くの人が一度は考えたことがあるのではないでしょうか。借金というと、「生活に困った人がする」というイメージが思い浮かびますが、それ以外にも、マイホームを購入したり、新規に事業を起こすなど、積極的な経済活動の際にも欠かせない行為となっています。
平成18年(2006年)ごろまでは、数多くの消費者金融がカジュアルで親しみやすいイメージをテレビCMでアピールし、グレーゾーン金利といわれる高金利でお金を貸し付けていました。そのため、比較的気軽にお金を借りてしまい、後ほど返済に困る人も数多く存在しました。2006年に自己破産した人の件数は、約17万5千件にも及びます。
2006年以降、最高裁の判決や法律の改正により、グレーゾーン金利は廃止されました。また、年収によって借金可能な額を制限する、総量規制が導入されたことにより、借金で苦しむ人は以前より減ってきています。
とはいえ、さまざまな事情により、借金の支払いに悩んでいる方は現在も数多く存在します。
債務整理した人の件数はどれくらい?
平成27年(2015年)の調査では、自己破産を行った人は7万1,533件となっています。10年前に比べると半分以下に減少はしていますが、今でも毎年相当な人数が、裁判所の手続きにより自己破産をしていることがわかります。
同じく裁判所を通した手続きである個人再生の件数は、7,798件と、自己破産の10分の1ほどになっています。
さて、債務整理の中でも比較的社会的デメリットが少なく、行う人が多い「任意整理」については、毎年どのくらいの件数があるのでしょうか?
実は、任意整理については、正確なデータというのはありません。というのも、任意整理は裁判所を通さず、借主から依頼を受けた弁護士や司法書士が、貸金業者と私的に借金の減額などを交渉するものだからです。弁護士会や司法書士会もすべての件数を把握しているわけではないので、まとまったデータがないのです。
借金問題を専門機関に相談する人はどのくらいいるの?
国が開設した法的トラブルのための総合案内所である「法テラス(日本司法支援センター)」のホームページ(http://www.houterasu.or.jp/sp/index.html)に、平成28年度(2016年度)に寄せられた相談内容のデータが発表になっています。
出典・http://www.houterasu.or.jp/cont/100861090.pdf
「金銭の借り入れ」に関する問い合わせの件数は、コールセンターに寄せられたもので4万5,584件、地方事務所に寄せられたもので4万5,073件となっています。法テラス以外にも、全国の消費生活センターや、地方自治体の法律相談、また各法律事務所や司法書士事務所に直接相談する人も多いことを考えると、任意整理の件数が100万件以上と推定されているのも頷けます。
また、さまざまな法律問題がある中で、法テラスでは、借金に関する問い合わせが、コールセンターでは相談件数第2位、地方事務所では第1位となっています。いかに多くの人が借金問題で悩んでいるかがわかります。
また、全国消費生活情報ネットワークを通じ、各地の消費生活センターから寄せられた「多重債務」に関する相談件数は、平成26年(2014年)度で2万9,942件となっています。
出典・http://www.kantei.go.jp/jp/singi/saimu/kondankai/dai05/siryou1.pdf
ピーク時の3分の1以下に減ってはいますが、依然として多くの人が多重債務で悩み、相談をしていることがわかります。
このように、借金問題で悩まれていても、専門機関や専門家に相談することで、解決策は見つかります。借金問題はお一人で抱え込まずに、お早めに専門家に相談されることをおすすめします。

所属弁護士会 東京弁護士会 No.44304
北海道から沖縄まで全国とこでも飛び回り、お悩みを解決します。
モットーは依頼人の悩みを解決するだけでは無く、再スタートまでのトータルケアを事務所一丸になってサポートします。