任意整理を依頼して完済してから、5年間はブラックリスト入りしてしまうため、ローンを組んで車を買うことはできなくなります。
では「ローンができないならば、代わりにリースはどうだろう?」と気になりますよね。
任意整理と車のリース契約について解説します!
目次
任意整理すると車のリース契約はできるの?
車はローンで購入するほかにも、リース契約という方法もあります。個人の車向けリースは、ローンより割安で車を手に入れることができ、最近人気があります。「ローンが不可なら、代わりにリースができたら…」と考える方は多いです。
しかし、残念ながら、リース契約の際にも信用情報は照会されます。つまり、任意整理後、任意整理の情報が信用情報機関に登録されている間は、リースの審査に通らない可能性が高いのです。
車のリース契約とローン契約の違いは?
最初に、車のローンとリースの違いについておさらいしておきましょう。
・ローン
ご存じの通り車を購入して、その代金を月賦で払うというものです。もっとも、所有権留保という特約がついていることが多く、代金を完済するまでは、車の所有権は売主やローン会社に残っています。つまり、途中でローンの支払いが滞ったり、あるいは車のローンを任意整理の対象としてしまうと、所有権を持っている相手に車を引き上げられてしまうのです。
任意整理の場合、任意整理をする時点で車のローンを組んでおり、車を手元に残しておきたい場合は、車のローンを任意整理の対象としないことで、これまで通り車に乗り続けることができます。
・リース
あらかじめ3年間や5年間といったように契約期間を決め、リース期間中一定の金額を支払うことで車を借りる仕組みです。あくまで借りているだけなので、契約機関が終了したら車はリース会社に返却しなければなりません。その代わり、ローンで購入するよりも支払う金額が安く済み、また一台の車に限らず色々な車に乗ってみたいという人に向いています。
カーリース期間満了後にその車が欲しくなった場合は、リース契約を延長したり、追加で残存価値分のお金を一括払いして、リース会社から買い取ることも可能です。
ローンもリースも、信用情報を照会する
リース契約は賃貸借契約ではありますが、原則として途中で解約することはできません。そのため、リース会社も慎重で、審査の段階で借主の信用情報を調査します。リース会社は信用情報機関にも加盟しているので、事故情報が載っていると審査に通らなくなります。
法人名義でのリースの申込はできる?
中小企業の場合、リース会社はリースの申込を受けると、法人としての信用情報を審査するだけではなく、経営者個人の信用力も調査します。これは中小企業の場合、経営者個人と、法人である会社は一体であると受け止められるからです。
このため、どちらか一方の信用情報にリース会社にとって好ましくない記載がある場合は、審査に通ることは難しくなります。名義が異なっても審査対象となる人物が変わらないため、リース契約はできないと考えた方がいいでしょう。
リースは企業にとって魅力的な契約です。初期投資費用が不要であったり、毎月の支払金額を抑えることができます。さらには、リース返済金額を全額経費で計上できるのも大きなメリットです。
任意整理を行うと、完済後5年間は経営者自身も、会社も便利なリース契約を結ぶことが難しくなってしまいます。そのため、中小企業の経営者が任意整理を行う際には、任意整理の案件を多数手がける弁護士に相談して、任意整理のデメリットをよく理解することが大切です。
リース契約ができるのはいつになったら?
信用情報機関のデータベースから事故情報が消えるまで待つことになります。一般的に、任意整理して完済後5年間は車のローンもリースもできなくなります。
任意整理後、車のリース契約を円滑に進めるには?
まずは、任意整理で和解後に成立した返済額を確実に返済することを優先しましょう。返済が無事完了したら、5年の期間が明けるまで、しっかり貯金して生活の基盤を固めておきます。
任意整理から数年経ち、自分の情報が登録されているかどうか気になったら、信用情報期間に直接問い合わせてみるといいでしょう。日本には3つの信用情報機関がありますが、いずれも1000円ほどの手数料で個人情報の開示に応じてくれます。詳しくは下記のサイトをご参照下さい。
・シー・アイ・シー(CIC)(http://www.cic.co.jp/index.html)
クレジットカード会社やローンを扱う会社、一部の消費者金融などが加盟しています。
・日本信用情報機構(JICC)(http://www.jicc.co.jp/)
消費者金融の約80%が加盟しています。
・全国銀行個人信用情報センター(http://www.zenginkyo.or.jp/pcic/)
銀行や、銀行関連のクレジットカード会社が加盟しています。
主な加入企業の傾向をあげましたが、これらの情報機関のうち2つ以上に、あるいは3つとも加入している企業がほとんどです。これらの機関の信用情報を照会してみて、全ての機関から事故情報が消えていたら、リース契約やローン契約の審査に通る可能性が高くなります。
所属弁護士会 東京弁護士会 No.44304
北海道から沖縄まで全国とこでも飛び回り、お悩みを解決します。
モットーは依頼人の悩みを解決するだけでは無く、再スタートまでのトータルケアを事務所一丸になってサポートします。