「任意整理をしたいけど、弁護士に頼むお金をどうやって捻出しよう…」とお悩みの方、積立金制度をご存じですか?
これを利用すれば、着手金の用意ができなくても弁護士に委任できるケースがあります!
以下、積立金制度について解説します!
目次
弁護士に払うお金がない! 任意整理する方法はないの?
借金で苦しんでいる方で、専門家への相談をためらわれている方の多くは、「弁護士に依頼したくても頼むお金がない」ということで悩んでいるのではないでしょうか。現在借金で月々の返済が苦しいのに、さらに弁護士費用を捻出する余裕なんてない、というのはもっともなことです。
しかし、着手金が払えないような経済状態であっても、弁護士に依頼する方法があります。それが、任意整理の積立金制度です!
任意整理の積立金制度とは
任意整理を弁護士が受任すると、を依頼を受けた債権者に送付します。そうすると、債権者から債務の内容が記載された債権調査書が弁護士に届きます。弁護士は、その債権調査書の内容を確認し、依頼者の全体の債務状況を把握します。その作業はおよそ2~3ヶ月かかり、その後、債権者と和解交渉をしますが、依頼をしてから和解が成立するまで債権者に支払いを待ってもらっている期間となりますので、債権者への直接の返済が一時的にストップします。弁護士事務所によっては、この期間に、積立金制度(またはプール金制度)を設けているところがあります。任意整理の積立金制度とは、依頼後、和解が成立するまでの期間に毎月一定額の積立てを行い、積立金を弁護士報酬や和解金返済金の確保にあてるという制度です。
積立金制度のメリット
「折角取り立てや支払いがストップしたのに、今度は弁護士のために積み立てをしなくちゃいけないの? 少しは贅沢したいのに…」とガッカリされる方もいるかもしれません。しかし、積立金制度は、依頼者と弁護士の両方にメリットがある制度なのです。
依頼者のメリット
・依頼時に着手金が用意できなくても弁護士に依頼できる
弁護士や司法書士などの専門家に任意整理を依頼する場合、通常はある程度の着手金を用意する必要があります。しかし、前述したとおり、返済に困っている人は着手金をすぐには用意できないケースも多いのです。このような場合、積立金をするという方法で、依頼時にまとまったお金が必要ではない法律事務所も多数存在します。積立金制度は本当に困っている方を救済することができる制度なのです。
・自分が月々支払える額がどの程度かわかる
任意整理の場合、債権者との和解が成立したあとは、合意した返済額を完済まで払い続けなければなりません。債務は交渉により、将来利息のカットなどを行って、返済の負担を軽くしますが、多くの場合、元本は残ります。これを完済するためには、毎月確実に支払える額を把握する必要があります。
弁護士から債務整理の相談時に現在の家計状況を確認されます。現在の収入から毎月の必要な家賃の支払や生活費等の支出を引き、実際毎月返済に充てられる金額はいくらになるかを計算します。毎月支払いできる金額を依頼時に弁護士と取り決め、受任後、債権者には直接支払いせず、弁護士が指定した事務所の口座に毎月振込をしていきます。なお、弁護士の口座へ毎月振込みする金額は、和解後に債権者へ毎月返済する金額と同額くらいになりますので、積立金制度は、貸金業者に合意した借金の返済をはじめるまでのよい予行練習となるのです。
・気持ちを引き締めることができる
任意整理を依頼して、借金の取り立ても返済も一時的にストップすると、大変な安堵感があるでしょう。しかし、「わーい、よかったー」とほっとして、気が緩んでしまうと、ついつい生活レベルを上げてしまい、業者との和解成立後にまた財布の紐を引き締めなければならないのが大変になってきます。それを防ぐためにも受任後に弁護士の口座へ振込する積立金制度があるのです。
気持ちを緩めるのは、完済後、本当の意味で借金から解放されるまでじっとこらえて、堅実な生活を続けましょう。
・和解後、借金返済と弁護士報酬の二重負担を軽減できる
業者と和解した後に、和解金の返済と弁護士報酬を二重に支払うのは重い負担になります。借金を返さなくて良い時期に積立てをしておく事で、和解成立後の弁護士報酬の支払い負担を減らすことができるのです。
弁護士のメリット
・着手金が用意できない人の任意整理も引き受けられる
弁護士も仕事なので、報酬を頂かなくてはなりません。その一方で、今すぐには資金を調達できず、借金で困っている依頼者を放っておきたくないものです。積立金制度があれば、弁護士も報酬の支払方法を心配せずに、困っている人の任意整理を引き受けることができます。
・返済計画を守れる依頼者か確認できる
積立金制度により、弁護士は、ちゃんと和解後に毎月返済に必要な金額を返済ができる依頼者なのか確認することができます。
積立金で弁護士費用はどの程度まかなえるの?
債権者とは依頼後、数ヶ月程度で和解します。多くの場合は弁護士費用の支払いが残った状態で債権者への支払いを開始することとなります。そのため積立金から和解金の返済に充てる方法をとります。弁護士費用は依頼する債権者の件数によって金額が変わりますので、積立金でどの程度まかなえるかは依頼する内容によって異なりますが、多くの事務所は、毎月の積立金の中で弁護士費用と債権者への返済を間に合うよう調整してくれます。
任意整理を失敗しないために
任意整理を成功させるためには、依頼者がご自身の支払能力を正しく認識する必要があります。そのため弁護士に任意整理の相談する時にご自身の家計状況をなるべく正確に説明することが必要となります。ご自身の収入から実際いくら毎月返済できるか確認し、弁護士と取り決めした積立金を依頼後に毎月支払うことになりますので、相談時に弁護士へあやふやな家計で話しをすると、実際積立金が支払いできないことに気付き任意整理では解決出来ないことになります。そうならないためにも家計状況の把握は日頃からやっておき、弁護士に相談する時には出来るだけ正確な家計状況を話せるようにしておきましょう。
依頼者にも弁護士にも多くのメリットがある積立金制度を是非、利用しましょう。
所属弁護士会 東京弁護士会 No.44304
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